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DJ-【コラム】半導体不況、長引くかどうかはサムスン次第

Dow Jones · 01/06/2023 19:40

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 韓国サムスン電子が6日発表した10-12月期の暫定決算は、メモリーチップ市場の低迷を背景に、予想外に利益が急減した。市況の冷え込みがいつまで続くかは、サムスンが野心的な生産拡大目標をどれほど迅速に見直すか――そもそも見直すかどうか――にかかっている。

 営業利益は前年同期比で69%減少し、2014年以来の水準に沈んだ。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスがまとめた市場予想も大きく下回った。同社は月内に正式な10-12月期決算を発表する。

 サムスンの利益が減少すること自体は驚きではないが、それでも落ち込みは想定以上だった。電子機器の需要低下で在庫が積み上がり、サムスンの稼ぎ頭であるメモリーチップ価格の急落を招いた。モルガン・スタンレーは、データの一時保存に使う「DRAM」と、データの長期記憶に使う「NAND型フラッシュメモリー」の双方について、サムスンの販売価格が10-12月期におよそ2割下がったと分析している。メモリーチップの主要顧客であるアップルの中国生産に支障が生じたことも、利益の下振れ要因となった可能性が高い。

 米国と欧州でリセッション(景気後退)の足音が近づく中、個人消費が早期に上向くことはないだろう。カウンターポイント・リサーチは、2023年のスマートフォン出荷台数が前年比2%増にとどまると予想している。新型コロナウイルス禍で在宅勤務の浸透による特需に沸いたパソコン(PC)も、当面は販売不振が続きそうだ。

 実のところ、メモリーチップの価格低迷が近く底入れできるかどうかは、供給サイドの動向にかかっている。半導体メーカー大手は生産・設備投資をここにきて絞っている。メモリーチップ大手のマイクロンは昨年11月、生産縮小を発表。今年のDRAM生産量は減らし、NAND供給量は前年比で1桁の伸びにとどまるとしている。同社はすでに設備投資を圧縮しており、2023年9月期の半導体製造装置向け支出は前年度比で半減すると見込んでいる。韓国のSKハイニックスは昨年10月、23年の設備投資を5割以上減らすと発表した。

 ところが、DRAMとNAND双方の市場シェアでトップに立つサムスンは例外だ。生産および投資計画の両方とも堅持する姿勢を変えていない。同社は以前から、ライバルからシェアを奪うため、不況時にも投資を継続する傾向がある。サムスンのような多角経営の巨大企業だからこそできる技だ。とはいえ、メモリー市場の苦境がさらに深まる中で、いずれサムスンも減産に追い込まれるかもしれない。6日の取引でサムスン株価は、さえない暫定決算を発表したにもかかわらず、小幅高で終えた。最終的には減産によって早期に需給バランスを回復できるとの期待が追い風となったのだろう。SKハイニックスの株価も連れ高となった。DRAM市場は、実質的にサムスン、マイクロン、SKハイニックスの3強による寡占状態だ。

 サムスンはメモリー市場の深刻なスランプに苦しめられているが、同時に市場の回復を自ら促すことのできる立ち位置にもある。ただ、サムスンが競合勢とのチキンレースをやめ、拡大計画の見直しに着手すれば、の話だ。これが実現するかどうかは、なお見通せない。