-+undefined NaN%
-+undefined NaN%
-+undefined NaN%

DJ-【焦点】振るわぬIPO市場、カーブアウトも選択肢

Dow Jones · 01/06/2023 22:22

 米国の新規株式公開(IPO)市場が急減速したことで、カーブアウトと呼ばれる事業切り離しを選択する企業が増えている。

 調査会社ディールロジックによると、2022年に米国で実施されたIPOの総調達額は、少なくともここ20年で最も低い水準だった。規模が最も大きかった案件のうち3件はカーブアウトによるもので、親会社からの分離後、スピンオフ(分離・独立)でよく見られる株式分配ではなく、従来型のIPOが実施された。

 この傾向は23年に入っても続いているようだ。米製薬・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のコンシューマーヘルス部門ケンビューは最近、IPOに必要な書類を規制当局に提出した。目標評価額は明記されていないものの、関係者によると、調達額は50億ドル(約6600億円)を上回る可能性がある。

 市場が高リスクとされる証券にそっぽを向き、リセッション(景気後退)への懸念が強まっていることで、カーブアウトによる事業売却を探る企業が増えている。投資家の関心が、近年もてはやされてきた形のIPOから、こうしたカーブアウトに移っているのは、切り出される事業が堅実に利益を上げる十分に成長した事業とみられている証しだ。

 一方で、従来型のスピンオフ企業の上場も続いている。米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)の医療機器事業は最近、GEヘルスケア・テクノロジーズとしてナスダック・ストック・マーケットで取引が始まった。GEの株主には、普通株3株につきGEヘルスケア1株が割り当てられた。

 ディールロジックによると、特別買収目的会社(SPAC)による案件を除く米国での22年のIPOは、調達額が86億ドルと、ここ10年間の平均である年間約560億ドルを大きく下回った。このうち約40%は、モービルアイ・グローバル、コアブリッジ・ファイナンシャル、ボシュロムの3社によるもので、いずれもカーブアウトによって設立された企業だ。

 昨年は金利上昇で評価額が落ち込み、多くの企業がIPOを見送った。大手企業は必ずしも株式を売却する必要がないため、これを理由にスピンオフを延期せざるを得なくなることはあまりない。仮にカーブアウトを選択し、新株を売り出すとしても、当初の売り出しはごく一部で済む。

 米半導体大手インテルは昨年10月、自動運転車技術部門モービルアイを切り離してIPOを実施した。市場のリスクを踏まえて公開価格は21ドルと控えめだったが、足元で株価は30ドル近辺で推移している。

 だが成功例ばかりではない。昨年カーブアウトされた上記3社のうち2社は、株価が公開価格を下回っている。

 米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の生命保険・退職給付部門コアブリッジ・ファイナンシャルは、昨年9月に実施したIPOで公開価格(21ドル)が仮条件レンジの下限だった。株価は乱高下を経て、足元では20ドル前後で推移している。

 カナダの医薬品・医療機器メーカー、ボシュ・ヘルスは昨年5月にアイケア製品部門ボシュロムの株式を売り出した。公開価格は18ドルだったが、最近は16ドル付近まで下げている。