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DJ-【焦点】バークシャーの大規模投資、なぜTSMCか

Dow Jones · 11/15/2022 23:27

 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが、台湾の半導体メーカーに大金を投じている。

 14日遅くに明らかになったバークシャーによるファウンドリー(半導体受託製造)最大手の台湾積体電路製造(TSMC)への投資は、バフェット氏がキャリアの大半で避けてきた業界への最新の投資となる。

 バークシャーは長年、テクノロジー株をほぼ敬遠してきた。バークシャーの2008年の年次報告書の中で、バフェット氏はシンプルな企業を好むと断言しており、「テクノロジー株が多いと理解できなくなる」と語っていた。

 だがその後、バフェット氏のテクノロジー株に対する見方は大きく変わった。2016年、バークシャーが同セクターへの自社最大級の投資規模となる約10億ドル(現在の為替レートで約1400億円)でアップル株を取得したことが明らかとなった。アップルは現在、バークシャーが保有する最大の銘柄となっている。7-9月期(第3四半期)末時点で、バークシャーはアマゾン・ドット・コムの株式約10億ドル相当も保有していた。そして今回、TSMC株6000万株(約41億ドル相当)を取得。TSMCは保有銘柄のトップテン内に急浮上した。

 TSMCの広報担当者ニーナ・カオ氏は電子メールで「TSMCの株式を購入し、保有する意向を持つすべての投資家を歓迎する」とコメントした。TSMCの米国預託証券(ADR)は15日の取引で11%上昇し、1日の上昇率としては2020年以来の大きさとなった。

 注目すべきは、バークシャーの投資のタイミングだ。半導体業界は今年、厳しい状況にある。半導体メーカーは新型コロナウイルス禍で利益が急増したが、その後の需要低迷で、コスト削減や減産、目先の設備投資計画の抑制に動いた。

 TSMCもこうした圧力の影響と無縁ではいられず、同社のADRは、1月のピークから43%下落している。

 それでも、多くの半導体メーカー幹部は、長期的な需要についてなお楽観的だ。生産能力の改善に加え、米欧各国による工場建設への補助金のおかげで、世界の売上高は今後10年間でほぼ倍増し、年間1兆ドル超になるとみられている。

 TSMCはアップルの主要な半導体サプライヤーでもある。バフェット氏はアップルが、バークシャーにとって保険に次ぐ重要な企業だと説明している。

 CFRAリサーチのアナリスト、キャシー・セイファート氏は「半導体銘柄の底値は近いとの見方がある」とし、「TSMCが多くの人から最高の半導体メーカーだと考えられている」ことを踏まえると、バークシャーにとってこの投資は合理性のあるものだと述べた。

 また、米中間の緊張が緩和することがあれば、その場合もバークシャーの投資は有利になる。

 TSMCの本社は、人口2300万人超の台湾にある。同社は日本の既存工場の拡張や米国での複数の工場建設を計画し、シンガポールでの建設も視野に入れている。だが、生産能力は依然として台湾に集中している。

 中国政府は台湾を自国の領土と主張し、必要なら武力行使もいとわない姿勢をちらつかせていた。これに対し、米国は中国の攻撃から台湾を守ると明言している。

 こうした緊張状態がここ数カ月続いていたが、ジョー・バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は今週、両国の関係安定化を模索することとなった。両者は14日、インドネシアのバリ島で、バイデン氏の大統領就任後初となる対面での会談を行った。